PTE AcademicとIELTSを比較!どちらが難しい?あなたに合う試験を最短で見つける完全ガイド

目次
1.はじめに:PTEとIELTSの全体像
IELTS
- 評価主体:Writing/Speaking は人間の試験官
- 重視傾向:自然な表現・論理性・一貫性・相互作用
- 受験形態:紙/CBT、Speakingは対面orオンライン
- 強み:人が読む前提の構成力・説得力・運用能力を見てくれる
PTE Academic
- 評価主体:全セクションAI採点(結果は最短48h)
- 重視傾向:発音の明瞭さ・流暢さ・正確性・指示遵守
- 設計思想:統合型タスク(聴いて要約・聞き書き等)で複合処理を測る
- 強み:日程柔軟+高速結果。型化とマシンフレンドリーな出力で伸びる
一言で言えば、IELTS=「人に伝わる英語」、PTE=「機械に伝わる英語」。
2.試験形式・出題傾向のちがい
観点 | IELTS Academic | PTE Academic |
---|---|---|
試験時間 | 約2h45m | 約2h〜2h30m |
Speaking | 試験官と対面 | 録音(AI採点) |
Writing | Task1(図表)+Task2(論述) | 要約+エッセイ等(タイピング命) |
Reading | 長文×3(精読・パラ推論) | 穴埋め・並び替え・要約など多形式 |
Listening | 音声1回/多アクセント | 要約・ディクテーション等統合型多め |
対策の軸 | 論理・自然さ・会話力 | 正確性・フルエンシー・発音・パターン |
現場感のある補足
- IELTS Speakingは“相手に合わせて伝える力”が加点要素。非言語情報(間、表情、反応)も活用可。
- PTE Speakingは“マイク最適化+音声品質”がスコア直結。雑音対策・母音/子音の輪郭・一定のスピードが重要。
- PTE Reading/Listeningはタイピングと時間管理を含む処理能力テストの側面が強い。
3.難易度の比較:どこで多くの人がつまずく?
IELTSで苦戦しやすいポイント
- Writing Task2:主張→理由→具体→反論処理→結論の論理階層
- Speaking Part 3:抽象ディスカッションで論点の深堀りが必要
- Reading:見出し付け/パラフレーズへの耐性
PTEで苦戦しやすいポイント
- Speaking:発音×フルエンシー(流暢性)
- RS(Repeat Sentence)/WFD(Write From Dictation):短期記憶+正確タイピング
- Summarize/Retell:決められたフォーマットで必要最低限の情報量を素早く整形
- IELTSは説得的な意味構築。
- PTEは機械可読な信号品質+形式遵守。
4.スコアと採点方法:人 vs AI/独立 vs 相互
観点 | IELTS | PTE Academic |
---|---|---|
採点 | R/L:システム、W/S:人 | 全AI |
スコア表示 | 1.0–9.0(0.5刻み) | 10–90(1刻み)+Enabling Skills |
結果速度 | 紙:~13日/CBT:3–5日 | 最短48h |
相互採点(各セクション) | 原則独立 | 相互影響(統合型) |
部分点 | R/L中心 | 部分点多め(RS/WFD 等) |
5.「どちらが難しい?」より大事な問い
Q:あなたは
- 対人で伝えるのが得意? → IELTS優位
- 機械に誤解なく伝えるのが得意? → PTE優位
- W/Sが伸び悩み短期合格が必要? → PTE切替が打開策
- 研究志向/教育・医療領域志望? → IELTS指定が多い
最重視は提出先要件。そのうえで自分の強みに合う設計を選ぶ。
6.失敗しない試験選び:4つの基準+よくある落とし穴
① 提出先要件(最重要)
- 受入試験/Overall+各技能の下限/有効期限/モジュール
落とし穴:Overall達成でもWriting/Reading下限未達で差し戻し
② 強み×試験特性の一致
- タイピング・音声品質づくりが得意 → PTE
- 論理的主張・対人応答が得意 → IELTS
③ 会場・費用・結果速度
- 即結果が必要 → PTE有利
- 地方在住・対面練習の効果が高い → IELTS有利
④ 教材・指導者アクセス
- IELTS:日本語資料・講師が豊富
- PTE:英語圏リソース+適切なテンプレと練習アプリが鍵
7.タイプ別 学習戦略テンプレ(2・4・8週間)
目標:短期でスコアを「起こす」。やらないことを決めるのが成否を分けます。
A)2週間スプリント(緊急・PTE向け)
- 毎日(平日90分+週末3h)RS 60問/日:短文→中文→長文の順で負荷漸増(耳→口→指を同期)
- WFD 40問/日:チャンク化→タイピング即時→綴りミス分析ノート
- DI/Retell:60秒テンプレ(導入→主観的焦点NG→客観要約→結び)
- Summarize Written/Spoken:語数制限&構文型を固定(1-2-2-1)
- 発音:/ɹ/ /l/ /v/ /b/ /θ/ /ð/ の最小対立を録音チェック
- やらないこと:素材集めで迷走、長文多読、無目的な長時間学習
B)4週間プラン(IELTS/PTEどちらも可)
- 平日60–90分/週末4h
- IELTS:
- Writing:週3本(T2×2/T1×1)→必ず講評→弱点タグ化
- Speaking:Part2の1分準備→構成メモの型(定石フレーム3種)
- Reading:設問タイプ別(T/F/NG、Matching、Headings)に分割練習
- PTE:
- RS/WFD:毎日(正確性>速度→週2で速度ブースト)
- Summarize/Essay:定型化→修正ログ
- Speaking:背景ノイズ0/一定速度/音素境界を強調発音
- IELTS:
C)8週間プラン(地力+テスト技術の両立)
- 前半4週:基礎整備(文法/語法/音声)+テスト技術の柱を作る
- 後半4週:模試→弱点タグ→局所特訓のPDCA短縮
- 週1回:“採点軸に照らした”講評で独学の盲点を潰す
8.セクション別の“点になる行動様式”
PTE Speaking(最重要KPI:Oral Fluency × Pronunciation)
- 一定速度(速すぎない)・句読点位置で軽い間
- 母音を潰さない(/ə/に落とさず核母音を保つ)
- 子音終止を落とさない(語末 /t/ /d/ /s/ /z/)
- テンプレは“意味と文法が破綻しない最短構文”を固定
PTE WFD(Write From Dictation)
- チャンク化(文主部/述部/修飾)→即時タイピング
- 固有名・複数形・時制語尾・冠詞の4点チェック
- ミス帳を“エラー類型ごと”に更新(語尾、前置詞、複合語)
IELTS Writing Task 2
- 主張は冒頭で“論点の軸”まで明示
- 段落=主張1つ+証拠2つ(例示・データ・機序)
- 反論先回り(カウンターアーギュメント)で説得の粘度を上げる
- 結論は再要約+条件付き提言で思考の成熟度を示す
IELTS Speaking
- Part 2:時間配分を固定(導入20s/軸1 20s/軸2 20s/まとめ20s)
- Part 3:抽象化→具体例→帰納の三段ロジックで深める
- 言い換えストック(同義語・準同義表現)を分野別に5対ずつ
9.受験当日のパフォーマンス最適化(直前~本番)
前日~当日朝
- 発声5分(母音→子音→文フレーズ)/指運動(タイピング準備)
- テンプレ再確認(PTE)/主張テンプレ(IELTS T2)
- 当日“やらないこと”リストを可視化(新規教材・直前詰め込み等)
会場で
- PTE:
- マイク位置=口角前方1.5–2cm/真正面NG(ポップノイズ回避)
- 席移動の相談OK(騒音が強い場合は迷わず)
- IELTS:
- Speaking直前は音読→短文要約で口を温める
メンタル
- “正確性→速度”の順で立ち上げる(最初の3問は護送船団)
- ミスっても次問へ即リセット(スコアは総量で決まる)
10.よくある質問(FAQ)
Q. IELTSでW/Sが伸びません。PTEに切り替えるべき?
A. 短期で結果を要するなら有力。ただし提出先がPTE可か先に確認。PTE移行時はRS/WFDの基礎体力と発音・フルエンシーを最優先で作る。
Q. PTEはテンプレで受かる?
A. テンプレだけでは不可。音声と形式遵守、必要情報量が三位一体。テンプレは判断負荷を下げる道具。
Q. IELTSは結局“根性論”?
A. いいえ。設問タイプ別の対策と段落設計の型で再現性は作れます。講評→弱点タグ化でPDCAを回すのがコツ。
Q. スコア換算は?
A. 機関ごとに換算表が異なるため、提出先の公式基準を必ず確認。民間の一般換算は目安に留めるのが安全です。
11.まとめ&次の一歩
要点
- IELTS:人が評価。自然さ・論理・相互作用が強み
- PTE:AIが評価。発音・流暢さ・正確性・指示遵守が強み
- 「どちらが難しい?」より、**どちらが“あなたの強みに合うか”**が重要
- まずは提出要件を確認→無料模試を両方試す→2週間集中で手応えを測る